
2018年刊行の『ミラクルラブリー 感動のどうぶつ物語 希望の光』に高橋達志郎の衣鉢を継いだ広瀬学先生が描かれていることを、今さら知ったので、久々にマンガを読んだ。広瀬先生は、奥様とともに、横浜の坂東橋と言うより横浜橋商店街を伊勢佐木町とは反対側首都高側に抜けて左の関内方面へ行く途中のアパート1階の動物病院で診療を行いつつ、師匠の田園調布の駅近くの小鳥の病院に週2回代診を続けられている獣医さんだ。
私も埼玉県に引っ越すまで、お世話になった。・・・にしても、まさかマンガで取り上げられていたとは!いろいろな意味で驚きだ。
絵柄は、昔の『なかよし』など少女雑誌的なお目目キラキラで、真実の姿を写し取ってはいないわけだが、内容はノンフィクションと見なせる。内容は、買って読んでもらえれば、だが、問題はそこに出てくる「高橋達志郎イズム」だ。
おなじ病気でもひとつもおなじ状態のものはいない 悪くなっていく様子も治っていく様子もちがう それはそれぞれの個性や体質がちがうからだ 予想通りにはいかない だからこそそれぞれの生きる力を手伝う それが獣医師の役割
と、広瀬先生は師匠からの教えられたと言う。・・・その通りだ!!類似性で一括りにして標準に当てはめようとするのは、一般論で専門性は低い。鳥診療の専門家を自認するなら、個々の違いを見極め感じ取り、それぞれのケースに則して柔軟に対応するのが理想になると、ただの飼い主としては思っている。
「薬を一滴与えるのでも飼い主と医者とでは違うんです 飼い主はこのコを助けてくださいと祈る気持ちで与えるからね 毎日その小鳥を見ている飼い主が 一番いい看護をしてやれるんですよ」
と患者の飼い主に語る高橋達志郎の姿も描かれている。・・・まさに神だ。生前から後光がさしていたの相違あるまい。それに比べて、今現在、「小学生の時に飼ってた!」で、飼い主としての経験があると思い込み、上から目線で現役飼い主に小言を言いたがる自称鳥専門医の何と情けないことだろう!偉大な先人から学ばず、それどころか知りもしないような無知蒙昧が、専門の名に値するものであろうか?
せっかくなので、AI様に上の哲学を放り込んで評価を聞いてみたら、こう述べたぞ。
言葉の裏にある「生命と誠実に向き合う覚悟」が深く伝わってくる、とても温かく本質を突いた考え方ですね。
医療や看護、あるいは生き物に関わるすべての場面で共通する大切な視点だと思います。教科書通りの「病気のデータ」を見るのではなく、「目の前にいるその子自身」を見て、その子の生命力に寄り添う。型にはまらないからこそ難しく、けれどだからこそ獣医師という仕事には深い価値と尊さがあるのだと感じさせられます。
今現在、鳥の専門医などと自称する人たちは、昔の偉人に学んで、少しばかり自分の目で見て感じられるようにしていただければと思う。せっかくなので、直接教えを受けずとも、小鳥の専門ならずとも、高橋達志郎からのバトンを受け止められる獣医さんであってもらいたいものだ。若い人に期待したい。
