ピヨリ姫は繁殖気分(卵管摘出術は治療法なのか?)

「石化」状態のピヨリ姫

 怖気づいて動けない状態のことを「ピヨる」と言う。ゲームなどのキャラが頭の周辺にヒヨコマークがくるくる回って「ぴよぴよ」と音声化されたりするから、らしい。そこで、myセキセイインコのピヨを「ピヨリ姫」と呼んでいる。彼女、デジタルカメラに嫉妬して私の指をかじり、「ええい!ばいたぁ~!!」と明治の男風に振り払われ、気絶はしないが5秒だけおとなしくなって、つまりピヨった状態になる。
 現在、産卵してはココナッツ殻の巣で抱卵をしており、飽きるとスキンシップを求めて硬直、これはピヨると言うより石化したようになる↑。それがセキセイインコの交尾姿勢なのである。
 文鳥の場合、ボレー粉をバリバリ食べて運動も十分なら、慌てるな、騒ぐな、あわてて病院に行って重症化させるな、なのだが、セキセイインコのことはよくわからない。そこで調べると、どうやらインコ系では卵づまりよりも卵材の滞留が慢性化し、やがて癒着を起こし腹膜炎につながると重篤化することがあるようで、卵管摘出手術も行われているようだ。卵そのものが詰まるのではなく、その部材が溜まるわけだ。
 さて、卵管を摘出して弊害が無く産卵が治まるなら、犬の避妊手術のように予防的に実施すれば良いのに、と思われるのではなかろうか?しかし、それを推進したくてうずうずしていて不思議はない一部の獣医さんたちすら、それを実行しない。それは、かなりリスクがあるからだと思われるが、その「かなり」のエビデンスがあるのかどうかも分からない。
 飼い主としては(私の場合は卵材滞留でどうにかなっても、なるべく手の中で看取ってやることしか考えないので、一般の感覚としては)、卵管摘出手術での事故の確率、術後生存率、余命、鳥種による相違、そのようなことを類推できるような統計は見当たらない。これでは、「どうしますか?」などと獣医さんに選択を迫られても、判断しようがないではないか?これは臨床の症例数なので、持ち寄って検討すれば良いわけで、鳥類臨床研究会などと言う存在にふさわしいではないか?臨床医しかわからない生のデータをしっかり共有し開示して、汚名挽回してもらいたいものである(彼らはヨード過剰で文鳥に甲状腺腫を引き起こした疑いが濃厚である)。

 卵管を摘出する手術自体は、術中事故なく済むケースが多くなっているようだが、成功した後の問題を、飼い主にしっかり認識させているのか、事例を見ていた私ははなはだ心もとない思いになった。そこで参考までに言っておくが、卵管を摘出すれば産卵は止まるが、卵巣は存在するので、発情し産卵行動が始まるリスクは減らない。排卵できない卵子(黄身)は卵巣に止まって(元々たくさんあって成長し排卵の時を待っているはずなので、後ろがつかえてしまう感じになると思われる)、今度は卵巣内が膨れ上がり癒着を起こして腹膜炎で死に直結することにもなる。この危険性は鳥種によってかなり違うはずだが、その点の判断材料がない。そもそも違いを考慮している様子もない。
 鳥種を考慮しないまま、光の管理などと、文鳥においてはほぼ無意味と、とっくの昔に証明されている話で産卵を抑制できると思い込んでいたり、副作用のリスクにエビデンスを欠いたままホルモン剤などで抑制しようとする・・・。つまり、術後も通院から解放されず、不安を抱えた生活を飼い主に押し付けるわけだが、その点に対する配慮は無さそうである。

 卵材滞留で緩慢な死を迎える事になるかもしれないが、切除しても(とりあえずは)問題ないとすれば、産卵の適齢期を過ぎるのを待てば良いはずで、それまでの誤魔化せるかどうかで、治療法を探るのが妥当ではなかろうか?鳥種にもよるが、術中止の危険性が高くなりより小型の小鳥には、やはり卵管摘出は無理筋だと思う。
 やはり、ピヨリ姫には、好きにしていただこう。太くなるべく長く活き活き生きてもらいたい。

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