エビの次はツルだ

 セキセイインコと野生の種子のことを、もう少し掘り下げたかった私は、エキゾチックアニマル診療の草分けの一人として知られる霍野さんのサイトに行きつき・・・、獣医さんは自虐趣味の持ち主なのかと疑念を持った。曰く。

 「野生でも食べているのは新芽や発芽前の種子で、芽を出して花を咲かせたり実をつけるために栄養があり、バランスもとれた状態のものです。しかし、餌の種子は花や実をつけた後のもので、栄養が全く異なります」

 無茶苦茶というより意味不明である。まず、海老沢さんが挙げていたように、野生状態のセキセイインコが食べているのは、未熟な穂付の状態から完熟状態までいろいろなイネ科の種子、つまり穀物だ。その中から、地面に落ちて発芽しようとする段階だけを選んで食べるなど不可能で、もしそのようなグルメ?名セキセイちゃんがいたら、即、餓死する。さらに、「餌の種子は花や実を付けた後のもの」とするのもわからない。穀物こそが種子で、硬いか軟らかいかは、まだ未熟か成熟しているかだけの違いのはずだが・・・。
 信じがたいことだが、穀物の配合餌に主要に含まれる、イネ科の穀類を、何らかの木の実、例えばザクロの種のようなものと勘違いしているようだ。
 もちろんエキゾチック全般に治験のある方なので、他の鳥種の話と紛れてしまったのだと思うが、それは甚だ迷惑で、他人様に飼育を説く者としては資格ゼロの恥ずかしい間違いと言わねばならない。瑞穂の国に生きて、それを原料にする日本酒を愛好するならなおさらで(パッカーズファンですか。QBファーブのファンですかね)、それは間違えようのない常識である。

 悪いことは言わない。鳥の臨床医は一般常識に欠ける面があるようなので、飼育に関して上から目線で他人に説こうなどとしない方が良い。あなたたちは飼育の素人同然なので、飼育が身近なものではないだけに、頓珍漢を連発するのだ。せっかくの権威が台無しにならないように、無知をわきまえて「解説」などしないことだ(後藤完夫でももっと上手な解説をしたか?)。個人的には、腹を抱えて笑えて楽しいのだが、こんなデタラメだらけの文章が何年もさらしものになって、誰も注意しないのだから、ヨード過剰の話同様、どうしようもないな。
 飼い主は、自分でしっかり情報内容を理解して、しっかり批判できるようでないと、危なくて仕方がない(ヨード過剰についても寝ぼけたままか?)。解説したがる獣医が、デタラメを拡散するのだから。

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