獣医さん推奨のドックフード?ブリーダー推奨のキャットフード?・・・意味ないのではないかと。普通の獣医さんは医療従事者で、栄養学を修めたわけでも、実際の飼育で食べるかどうか試せる立場ではない。一方、ブリーダーは食べるかどうかは試せても、自分の飼っているのは実験動物ではないので、視野が狭くなる。
各社で研究し開発している人たちが、自分のメーカーの「売り」を広告し、消費者である飼い主が何を信じるかしかないのだが、獣医さんだのブリーダーだのどうでもよい肩書に流されては、賢い消費者とは言えない。
鳥用のペレットの場合は、キバタンなどなどの大型インコ類の必要性から、同じ鳥類だから・・・などと言う、私に言わせれば、ゾウとアリクイの区別も出来ない雑な頭で、文鳥などの小鳥にも必要だと勘違いしたに過ぎない。・・・同じ哺乳類でも、ゾウとアリクイと人間は全く別だというくらい、説明不要だろう?なぜ、鳥はみな同じだと思えるのか?ご存じないのかもしれないが、我々哺乳類は5、6先種ほどと言われ、一方の鳥類はその倍、1万種以上と見なされている。つまりそれだけ鳥類の方が多様に進化しているのである。ゾウとアリクイ同様に、キバタンと文鳥が同じわけがないだろう?
世の人は肩書で信じるが、せんじ詰めれば、見当違いであてにならない肩書だと気づかないだけである。例えば「管理栄養士推奨!」などとあると、私は「栄養士じゃダメなのか、『管理』が付くと偉いのか?」と問い詰めたくてウズウズするのだが、事情を知らない人は「管理」が付いた方が偉いと思っている。しかし、確かに管理栄養士は栄養士より2年?だったか余計に学校に行くのだが、実質的には大して変わらない。ただ、免状をくれるというか資格を管轄する省庁が違うだけで、栄養士の方が劣っているわけではない。だいたい、栄養学など何年も勉強するほどのものではないと思うので、余計に行くだけ無駄だと個人的には思っており、肩書より職場で個人の能力を伸ばせるかが重要であり、ようするに、野球選手が高卒でも大卒でも、結果次第なのと同じだと思う。宣伝しているお弁当だか何だかについては、栄養のバランスがとれていてうまければ良いので、栄養士の何ちゃらさんがお墨付きをつけても、ただの個人的感想のひとつに過ぎない。監修?素材の栄養素の計算など誰でもできるだろうし、あとは個人の舌次第で、その点なら調理師の方がよほど頼りになるだろう。
そう言えばツボ巣のカワイは、「プロが認める ネスト」と宣伝していた。ネスト?nestは巣という意味で、わざわざカタカナで表現する時点で、私の眼を細く冷ややかなものにしてしまうのだが、ともあれプロは認めないのではなかろうか。なぜ?だって、プロとは繁殖家だろうが、繁殖で使う大サイズをやめてしまうほど、プロ感覚から遠いことを露呈している。いったい、「プロ」など実在するのか、名乗り出てもらいたいものである(社長が「ボっクで~す!」とか言ってくれたらうれしい)。
ことほど左様に宣伝文句などいい加減であり、油断できないのだが、人は何となく流されてしまう。
動物の話なら、プロと言えるのは、大学で動物行動学などを修めて研究のために飼育員をしているような人が、その専門動物に対して称することができる程度ではなかろうか。エサや水をやるだけの飼育係ならアルバイトの現場仕事だが、研究するならそうして日々に接しなければわからない。場合によっては獣医師資格くらい持っているかもしれず、おそろしく有能なのである。しかし、ゾウを研究する学識ある担当飼育員でも、アリクイに餌を与えるだけならアルバイトの飼育係にも劣るだろう。それが専門性というもので、このあたりが、一般にわかりにくいところかと思う。人一人の専門性、プロと言える範囲はかなり狭いものなのである。
それをわきまえず、全般的な知識を個人に期待したり、祭り上げて超人だと勘違いさせるようなことはあってはならない。そう言うのは内輪盛り上がりの教祖様仕立てに過ぎず、仲間に入らない圧倒的多数から浮いて事実から離れ、結局は、自分の家族(小鳥)を不幸にする可能性を増やすことにもなる。
肩書に流されず、プロとは何のプロなのか見極められる、そうした態度が必要かと思う。
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