
昨晩、すでに体温が低下していて、それでもエサを食べようと頑張っていたが、飼い主としては死を待つよりない状態であった。
早朝、ヒナたちにエサを与え、遺体を回収・・・、と見に行って、やはりカゴの底で静かに・・・、と思ったら、ヒックと動くので取り出す。定期的に間隔を置いてしゃっくり状の動きをくり返す。呼吸に伴うけいれんのようなもので、心臓が止まろうとしていることを示す症状だ。もはや、ものを食べたり水を飲める段階にない。
この状態が長く続くわけがないのだが、いつ亡くなるかわからない。どうしたものかと30分ほど手のひらにのせてなでていたところ、けいれんが始まり、最後に翼を広げる動作をして脱糞し、大きく見開かれた目を徐々に閉じ、亡くなった。6時49分ご臨終です。である。
キイは、コッペとイッパ、つあり桜文鳥ペアの子で、本来生まれるはずのない白文鳥であった。2023年8月14日に孵化し、クチバシがピンクなので驚き、奇異だ!でキイだったが、元々は元気な子で、奇異なので他人に売るのがためらわれ、家に残した(その少し前に紀伊のキイが亡くなっている)。
活発な子で、後から生まれたオノコと夫婦になって2代目が期待されたが、生後1年くらいから、病弱な様相に代わって、脚色が黒ずんで見えるようになり、産卵することも無かった。存在自体が普通ではないので、遺伝的な問題があったように思われるが、まったく同じになぜか白い妹(トッピ)は元気に子どもを量産しているので、たまたまなのかもしれない。
ともあれ、キイちゃんお疲れ様。やすらかに。
手のひらで臨終を看取るのは何回目だろうか・・・。キイにしても、元気なころは手を避けて逃げまわるようになった時期もあり、手乗りとは言えない状態だったが、手乗りの子は死に場所を手のひらに求めることが多い。温かいと知っているのだ。体温が低下しぬくもりを求めると、ヒナの頃のことが思い起こされるのかもしれない。
そうした経験などまったくない獣医が、経験なしの分際をわきまえずに、手のひらは鳥の体温より表面温度が低いので保温にならないとか、バカなことを吹聴していたものだが、心置きなく臨終をむけるには良いシチュエーションだ。
「薬を一滴与えるのでも飼い主と医者とでは違うんです 飼い主はこのコを助けてくださいと祈る気持ちで与えるからね 毎日その小鳥を見ている飼い主が 一番いい看護をしてやれるんですよ」
と高橋達志郎は述べているが、このような、私に言わせれば当たり前のことがわからない。飼っていないからである。ヒナの時に手のひらで温め、亡くなる際に手の中で見送った経験があれば、妄想で屁理屈など言えないはずだ(表面温度など関係ない。生きているので赤外線を放出しており温かいに決まっているのである。そのようなくだらない常識にいちいち科学的エビデンスなど求めるような人は温かな生き物にかかわらない方が良い)。
神のような高橋でさえ、飼い主とその小鳥の間の結びつきには立ち入れないものがある。私などは、宿泊して慣れて遊ぶようになってくれていても、帰る時に飼い主が現れたのに気づいた時の表情を見て、違うんだなぁ、やっぱり、と思い知らされることがたびたびだ。
入院、病院の殺風景な環境では、治るものも治らないだろうな。昔、すぐ入院させて莫大な入院費を請求するので有名な獣医がいたが、その野鳥と戯れて小鳥扱いがうまくなったらしい奴も、飼育については何もわかっていなかったのだろうな。
などと、いろいろ考えさせられている。

