
動物行動学の先駆者で、ノーベル賞受賞者のコンラート・ローレンツは、「神が都会に住む哀れな動物好きの為に作った動物」とハムスターを称賛した。残念、先生は手乗り文鳥を知らなかったのである。手乗り文鳥の方が逃げて家具に入りこむ可能性は低く、寿命3年足らずのゴールデンハムスターの倍以上は長生きなので、年齢的な変化を観察しやすい。しかも、造ったのは神かもしれないが、それを手乗り文鳥として育んだのは、日本人なのだから、日本人としては大いに誇りとすることができるではないか?「神が都会に住む哀れな動物好きの為に作った動物を、日本人がよってたかって手乗り文鳥にした」のである。
よってたかって?スズメのヒナを相手に鼠鳴きしてキャッキャ言っていたのが10世紀の清少納言なら(『枕草子』145段「(うつくしきもの)雀の子、鼠鳴きするに踊り来る」)、18世紀の秋田蘭画の佐竹の殿様は「さー、竹だぁ!」の絵(こちら)に文鳥の姿を添えるなど画題としたのを始め、葛飾北斎の浮世絵など多くの画家が文鳥の姿を描き、飼育マニュアルが読まれ、大量生産され、1840年代に白文鳥が生まれて大喜びしてその姿を写し取らせたのは(水野忠邦に「倹約のため処分しなさい」と言われて泣く泣く絵に移して売り払ったと推測)、おそらく第12代将軍の徳川家慶だ。そして、白文鳥は欧米その他に輸出され、夏目漱石は飼い殺してしまったが、その弟子の内田百閒は手乗り文鳥は連れて自慢し・・・。有名人多数、これはもう、よってたかってと言う他あるまい?
で、その伝統を受け継ぐ「ぱろぷんてえ」だ。シルバー文鳥ペアの子なのにみな桜文鳥で、母カエの不倫疑惑が濃厚で、その相手が頬が茶色いシナモンのホチャの可能性がある、血統的にはよくわからない子たちだ。
が、とてもきれいな桜文鳥になってきた。この子らは、数が多すぎるので、大集団に加えず、3羽だけ時間をずらした生活をしている。20時頃の差し餌に参加して湯漬け餌に口を開けるので、半ば手乗りという状態で、いちおう売り物だ。↑左の「ぷん」が♂、他はメスのようだが、疑惑が事実ならシナモン因子持ちだから、あぶれているシナモン♂とペアにしても良いかもしれない。だが、この特殊環境に慣れているので、どうしたものか悩ましい。・・・とりあえず様子見としよう。
