関税を無くした魔王と関税好きの魔王

 織田信長は、道に関を設けて通行料を徴収するのをやめ、物流の流れを活発化させて己が城下町の反映をもたらした。片や、現在の米国大統領であるご老体は、関税で一方的に損をしているとして、関税障壁を高めた。・・・関税で米国が損をしないように、相手の関税障壁が低くなるようにする努力ではなく、「面倒だからみんな損をするようにしてやったぜ!」と言う政策でしないのだが、頭がおかしいので、関税障壁が高くなって物流は滞らず、関税収入が安定して得られ、外国製品が入らなければ自国製品が見直され内需が活性化すると思っているらしい。
 トランプ大恐慌の可能性が現実化し、魔女狩りではなく魔王討伐が意識されることになるかと思う。

 一方、フジテレビの専務だった大多さんは、責任を痛感して現職を辞任したそうだ(記事)。こちらは、港さんにせよ、よほど心優しく、魔王とは呼べまい。ただ、経営者としての自覚に欠けてセクハラを含むコンプライアンスに対して認識が浅すぎたに過ぎない。
 自分の部下である被害女性に寄り添った行動をしたかったようだが、それは幻想、思い込みからの私事だ。加害者がジジイなら同じジジイは寄り添えない、もしくは遠慮すべきなのをわきまえないようでは、そもそもデリカシーに欠けている。
 経営者としての問題は、コンプライアンス部門を持ちながら、それを信用し活用できるものにしていなかった点にある。なぜ、被害女性はコンプラ部門に訴えなかったのか、相談を受けた上司はなぜコンプラに行かないのか、部長は?局長は?で、専務はそのまま社長の報告して、それで内々に収めようとしたなどと、笑い話ではないか。いったい何人が関わってしまったのか?何らかの被害を感じたらコンプライアンス担当へ直接訴えるように徹底し、コンプライアンス担当部局は社内の組織とはほとんど独立して、プライバシー保護、外部の専門家との橋渡しができる、有能な人物を置けば、個人でバカ芸能人と示談交渉などせずに済んだであろう。中居くんなど内々に起用しなければ良いし、芸能人の使いっ走りに専念するようなナカジーは、永遠にバラエティのディレクターを頑張ってもらっていれば良かったし、何かしでかせば社内のコンプラ違反で内々に処分すれば良かった。
 コンプライアンス部門のトップだった副会長(遠藤さん)自らが、驚くほど正直に、商談とは無関係な部門に所属する女性社員(この場合アナウンサー)を、接待のために利用するのを是とする発言をしていたので、根本的にズレた組織と見なせたが、そのような昭和の悪弊を平気で引きずっている企業は、消えて無くなるのが必然であろう。
 役員たるジジイが寄り添うのではない。会社が組織として社員に寄り添うのが求められているのだ。そのため、会社は専門部局を用意し、有能な人材を配置し、例え役員に対しても個人名などは報告せずに対処できる権限を与えるのである。ズレたジジイの脳足りんがしゃしゃり出て寄り添う必要などないことを、理解しなかったのが致命傷であった。残念。

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