FNS27時間総ざんげ大会、やれば?

 昨日、フジテレビの第三者委員会による実に真っ当で、まったく同感の指摘により、少しズレているが誠実ではあるらしい大多元専務が、現職から身を引く旨の会見をされているのを見て、私見を書いた。その直後、元フジテレビ政治部長の平井さんの記事を読み、感慨を深めてしまった(途中から有料記事)。

 大多さんにせよ平井さんにせよ、その対応が人間的なやさしさを基礎にしているようには感じられる。しかし、組織において、やさしさは私事、厳正処分は公事である。「大げさなことにしたくない」と被害を訴えた本人たちが言っていても、それは口だけで、本心は処罰を望んでいるかもしれない。そのような他人の本心などわかるはずもなく(わからせるべく努力をしなかった方にも甘えがある)、鈍感な人も少なくないので、本心は「わからない」を前提にしなければなるまい。
 従って、そのパワハラが厳罰に相当するのであれば、そのようにすれば良かっただけである。もし、そのパワハラの実行犯が自分の友人であれば、上司として処罰したうえで、プライベートで慰めれば良い。それが公私の別というものだ。例えば、時代劇でこうしたシーンを見たことがあるのではなかろうか。日頃親しくしている世話になった上司の元に、藩命を帯びた藩士が訪れて、自分が下座にあって和やかに歓談をした後、「役儀により身を改めます」などとして上座に移り「上意!」と高飛車に命令するようなシーンだ。私事としては敬愛する相手でも、職務上は厳正に当たらねばならない。これを明確にしないと、馴れ合いの無責任社会となる。

 それで、現在「アラ還」の反町さんが40代前半に何をしたのか、読売新聞によれば、当時の部下であった女性社員に対し、「それぞれ1対1の食事に誘ったほか、休日にドライブや映画観賞に誘ったり、プライベートの写真を送るよう求めたりした。女性2人が断ると、業務上必要なメモを共有しなかったり、 叱責したりするなどしたそうだ。

 柔道部みたいな外見の反町さんだが、40代ではマメだったらしい。そもそも自分の部下を恋愛対象とするのは、教師が教え子と恋愛できるなどと勘違いするのと同様に公私混同でしかないが(恋愛は自由?教師と生徒との関係は教師の職務上成立するもので、自由にしっかり選べるようにするのが教師の職務だ。職務【公】の前に自由【私】など許されない。許して欲しければ職を辞さねばならない。つまり、教師が教え子と恋愛するなど職務違反でしかない)、普通に断られただけで業務上の嫌がらせに及ぶなど、何とせせこましいことか。この事案は、プライベートの問題を会社に持ち込み、会社の人材の業務を妨害し会社に損害を与えたに他ならず、きつく譴責し、上司としての自覚を促さねばなず、繰り返すなら、当然ながら更迭されるべきものであった。
 しかして、当時の上司たる平井氏は譴責している。その後、同様の事態が無かったのなら、十分反省したわけで、おじいちゃんになった今になって「ダメな子」だった時代を責め立てる方が不当ではなかろうか。問題は、その後同様の事態を繰り返したかであり、繰り返していないのなら、刑事罰相当の罪を犯したわけでもないので、「第三者」の知ったことではあるまい。報告書にあったところで、たんに、昔の一例を示しているに過ぎない。
 この件に対して上司であった平井さんに過失があったとすれば、被害者側への説明不足かと思う。前例はこのようになっている、法律的にはこのようになっている、などの根拠を明確にした上で、どのような処分したか、しっかり伝えねばならなかった。職務上の問題行動を会社として認め、その情報を上層部と共有したことを、しっかり伝え、さらに、被害者に謝罪させるべきで、謝罪文を書かせても良かった。「調子に乗って不快な思いをさせました。申し訳ありませんでした」だけで良い。一筆取れれば相手も少しは気が治まり、その後、反町さんが出世しても、「あんなことしても重役のお気に入りなのね。くやしいわ!」と感じずに、「あいつも反省して出世できたのね」と思ってくれたかもしれない。つまり、被害者の納得を得る努力が不足していたとは言えよう。 

 「女性社員はこのような問題を持ち込まれることを私が迷惑に感じていると思っていたから、遠慮がちに言っていたのではないかと今になってみれば思う。そこに気づかなかった私は鈍感であった」

 まさに、その通りである。それに気づくだけ平井さんは賢い人だが、しかし、20年前の男社会では、被害者マインドに気を回せる柔軟性を持った人など稀有だったかと思う。

 せっかく、今から考えれば間違っていた話を、とても有能な第三者委員会に掘り起こしてもらえたので、この際、FNS27時間総ざんげ大会を提案したい。本当は、昔の『ひょうきん族』のように・・・、神父の横澤さんの位置に第三者員会の委員長様を当てて、十字架のキリスト様に扮していた、あれは誰だったか?まあ、この際、体型的に反町さんだが、年齢的に気の毒なので、元編成局長で窓際族で謹慎中のナカジィ、やれ。と言いたいのだが、真面目な「現在社会」でそれをやったら顰蹙を買うので(我々は大喜びだが若い人が引く)、仕方がない、喪服でも来てもらって、役職にある人は全員、それ以外はそうしたい人に、一人ずつ反省の弁を述べてもらおうではないか。・・・本当は、進行役をカンニングの竹山さんに委ねて、おりんを「チーン」とやって欲しいのだが、致命的になりそうなのでお勧めはしない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました