
テーブルの上を占拠するヒナ軍団のケージを、使っていない収納家具を2階から降ろして、窓際に移動した。東側なので午前中のみだが窓越しの直射日光を喜んでいるようだ。
文鳥の日光浴とは、これで十分だと私は思っている。真面目な人は、ビタミンDの生成に必要な紫外線何とかは窓を透過しないから、真冬でも少しは日光浴させないといけないとか、窓を開けただけでも紫外線が入ってきて離れたところでも乱反射で効果があるはず、とか、いろいろ科学的な知識を基に憶測して勝手に納得するものだが、そもそも、ビタミンDが文鳥にどれほど必要かわかっておらず、最もそれが必要とされる繁殖において、繁殖小屋の木箱などという、日光浴などできるはずのない暗がりで、江戸時代から、百世代以上も繁殖されているという、動かしがたい事実を無視している。
ビタミンDうんぬんは、基本的に人間についての話である。それも、食べ物にビタミンDが含まれるなら、皮膚にシミを作る危険を冒す必要などない程度のことだ。
ビタミンDを得るための日光浴が生物の生存に絶対的に必要なら、夜行性の生き物や土中や海中深くに生き物は存在しえないだろう。何かで補っているか、そもそもビタミンDがなくても問題ないように進化しているかで、残念ながら人類は、その個々のメカニズムを解明できていないだけである。
つまり、真冬の寒さ、真夏の暑さ、それ自体が生命の危機に直結し、外敵に襲われるリスクや、ケージから出て迷子にさせる危険性のある行為、を行うだけの「エビデンス」(科学的根拠)はないので、陽射しのあたたかさ、陽射しの明るさを感じさせる程度を意識して、ビタミンDが必要と信じるなら、煮干しでもかじってもらうのが無難と言えよう。
おそらく人間は文鳥より明るさの感覚が鈍いのか、室内の照明と外の明るさに差をあまり感じないで過ごしている人が多いが、実際は大違いである。晴天の室外は10万ルクスに対し、照明の室内は500ルクスだ。明るい場所を喜ぶのは「太陽光を浴びて健康になれる!」などと本能的に思っているわけではなく、ふだんが日陰以下に暗いので、明るい場所を喜んでいるに過ぎないかと思う。
さて、骨折のテーピングから1週間(日光浴しないから骨が弱いわけではないぞ!30年で1度だ。その間、落下したことのない文鳥はほぼいなかったはずだが、「クロダ」はよほど受け身を失敗しただけであろう)。
2万円の出費は痛すぎるが、おかげで(最悪の体調の中)いろいろ実体験できた。「鳥も診る」と称するいい加減さは、30年近く前に横浜の反町駅近く、松本町(だったかな?)に海老沢さんが鳥専門病院を開設して、電話帳(タウンページ。今は無き広告媒体)に鳥専門でなければ、という趣旨を掲げ、鳥を専門に見る獣医さんの存在を知った私が驚いたころ、よりさらにずっとレベルが下がったと言える。何しろ、「脚の骨折ではギプス出来ない」などと言うのだ。「常識なんかは通じねぇ」である。それは、小鳥を診る機会が極端に減っているからで、もはや、「鳥を診る」は上手下手以前に、確実な情報がない限り、文鳥の飼い主は近づかない方が良いことを示す言葉となっている。
私は、もはや自分で治す覚悟をしているが、獣医さんを頼るなら、事前に骨折治療をしている情報が確認できるところにして、手術よりテーピングなりギプスでの治療もあることを認識して、確定診断以外のレントゲン撮影は遠慮してもらうように、言いたくなければメモして渡す、のが良いかと思う。
獣医さんは簡単に言うが、レントゲン1枚は5000円札1枚(万札1枚の可能性もある)と同じだ。昔、横浜橋商店街の、ようするに横浜の下町の貧乏人ども(つまり私と同種族。近所のおっちゃんおばちゃん)が連れてきた目ヤニやら耳ダレやらの犬の体を文句ひとつ言わずにぬぐって爪まで切ってやって、文鳥を抱えて狭い待合でその様子を見ている私が、「お前ら、それくらい飼い主がやってきやがれ!」とぶっとばしたくなるのをおさえねばならなかった、レントゲンの設備もなく、診療代は数百円、下手をすると今日はいらないときて、数千円になると「申し訳ない」謝られるような、長屋の赤ひげ先生の昭和版は望む方がおかしいが、それでも患者の懐に与える衝撃は、公的保険制度がない以上、大きなものになるくらいの遠慮がないと、ペットはお金がかかると敬遠されるだけになるように思った。
文鳥のテーピングに3人がかり、施術のために軽く麻酔処理、はっきり言えば熟練する気のない大して器用ではない人たちだから、コストがかかってしまうだけだが、それでも、普通に必要な存在なので、とりあえず少額貯金で備えるしかないか・・・。
私の場合は、3人がかりテーピングが2っか目にはがれだしたので、↓面積を小さくしてカーブを作って文鳥自身から目立たないようにして、医療用の紙テープ(何でそんなものがあるのか?宿泊するお客さんの食器に目印をはるためである)をぐるぐる巻いただけだが、それで今もキープされている。「クロダ」も気にしていない。文鳥の視界から消えるようにする、これがポイントだと思う。参考までに。


