憲政の常道を知らないで「立憲」とはこれ如何に

 日本初の宰相の実現を阻もうとする人は、すべて、女性差別論者だと、私、まったく女性を大切にするという意味での「フェミニスト」ではないが、性別で能力は区別できないのが常識だと思って生きている者(本来のフェミニストはこちらだろう)には、見える。この際、思想信条などどうでも良い。女性が宰相になるのが重要なのである。早苗ちゃんの思想信条が気に食わないなら、短命に終わるように倒閣運動の準備をしておけば良いだろう。女性でも当然のように宰相になって国を率いることができる、その嚆矢となる千載一遇のチャンスを、何を血迷ってつぶそうとするのであろうか。つまり、日ごろ、男女同権とか男女平等参画社会とか、言っている連中の覚悟のほどは実に脆弱なもので、その実現など二の次三の次で良いと思っているに相違ない。高市早苗さんの後にリベラルな考えを持った女性が続けば良いではないか。早苗さんを風よけにしたと思っていれば良い。国のためにはハードワークを厭わないなどと言いきる稀有な人が、馬車馬のごとく働きに働かねばならない先駆者の苦労を背負ってくれるというのだから、千載一遇のチャンスではないか。
 ごらんなさい。馬は馬でも塞翁が馬だ。偉大な(と信徒から崇敬を受けていた)会長を失って守勢一方の宗教がらみの政党より、思想信条の上でもより近しい大阪ローカルの政党が、協力してくれるではないか。一方の国民民主党にしても、玉木さんは政権奪取というエサに食いつかなかったのは識見が高いと言えるよう。悪い癖で、相変わらず言わなくてもよい弱音の本音や愚痴を自ら公にして、ぐずぐずしていて維新に油揚げを持っていかれた情けない人と、一部から見なされてになってしまったが、是々非々の線を踏み外していないのだから、落ち着いて考えれば身の処し方は立派と言える。もし、立憲民主の口車に乗って神輿になったら、それこそアホ丸出しである。
 そして、今回の首班指名における行動で、世の中から消えてなくなるべき存在であることを露骨に示してくれたのは、立憲民主党であろう。あの政党は、実に素晴らしくわかりやすいほど、日本社会党の体質を引きずっていることを示した。数合わせで平気の平左で『憲政の常道』を忘れ去る。そのくせ、「立憲」などと生意気なことを言い張る。論理が好きなくせに論理倒れしてまったく気にしないのだから、あきれるばかりだ。
 憲政の常道とは、「衆議院議員総選挙で第一党になった党の総裁を首相にする」である。学校で習わなかったのか?俺の話はあんたがたには難しすぎたか?痩せても枯れても腐っていても、現在、衆議院の第一党は自由民主党だ。その総裁が総理になるのが憲政上のあるべき姿であり、文句があるなら、次の選挙で覆せば良いだけだ。それが野党第一党のなすべき使命であり、何でも良いから数合わせで過半数を握って、弱小政党の党首の分際で政権を担って故村山富市の再来など作ってどうするつもりか。近々の選挙で、新興の野党に支持を奪われ伸び悩むような民意を受けていない政党の分際で、うきうきと数合わせに走って政権を得ようなど、民主主義を否定するも同然であろう。不見識にもほどがある。あの筋を通したがる野田さんにして、貧して鈍したと指摘しなくてはなるまい。自分が比較第一党になる気概がないのなら雲散霧消するが良い。

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