
近所の運送会社の関係者らしき軽自動車のおっちゃんによるドバトへのエサやり行為は、驚いたことに続いている。どうやら、自分がエサを与えないと飢え死にしてしまうと責任を感じているらしく、会社の昼休み時間に食パン1枚を持って、会社の駐車場や歩道を避けて高速のアンカーすぐに路駐して、街路樹下の植え込みにエサを放り込み、自転車の私をバックミラーで確認すると逃げていくようだ。隠れタバコが見つかった中学生の如し、である。
よって、私は、食パンに群がる哀れなドバトどもを情け容赦なく蹴散らして、捨てられた食パンを余すことなくきれいさっぱり側溝に捨てることになる。ハトの胃の中には入らない。もちろん、散歩をする近所の人が真似をしないように、東京都(川口市には無かったので)のチラシを、あまりやりたくなかったのだが、わざわざラミネート加工して近くのガードレールなどに括り付けるなどの対処も行っている。
結果、おっちゃんの軽に群がったドバトどもは、間を置かず現れる自転車(私)を見て一目散に逃げ去るようになり(別に危害は加えていないが、動物は不穏な空気が「分かる」のである)、高架で私が掃除するのを恨めしく見守る、という、怖ろしいまでに不毛な日々となっている。しかし、エサが食べられないので、早晩方々に散っていき、ハトがいなくなればおっちゃんもいなくなるものと思う。よって、動物愛護法の啓蒙に当たらねばならない動物取扱業者としての責務は果たせるはずである。
ところで、お腹をすかせたハトにエサを与えてはいけない理由として、チラシはいろいろ書いてくれているが、私は、一族滅亡させるのも同然、つまり殺鼠剤でも撒いて皆殺しにするのと大して変わらないことになるからだと思っている。
なぜならば、同じ場所で同じようにエサを与えると、ハトはその場所に定住してしまう。与えるエサの量が多ければ、それを糧にして繁殖して、生まれた子や孫も同じ場所に定住することになり、その集団内で近親交配が進むことになる。近親交配は一般的に虚弱化を意味するし、人に依存した生活を続ければ野生での捕食能力は低下するので、餌づけされた集団は代を重ねるごとに野生での生活能力を減じることになる。つまり、生活能力に乏しく遺伝的には虚弱な個体の群れとなるわけである。
では、エサをやってる無責任なおっちゃんが、何らかの事情でそれが出来なくなったらどうなるだろう?餌づけされた虚弱なハトたちは、散り散りになるだろうが、その時、野生で生き抜いてきた遺伝的にも強靭な個体との生存競争に勝てるだろうか?おそらくはろくにエサを集められず病気にかかって早くに淘汰されるだろう。結局のところ、無責任な餌づけは、そのハトたちの子孫繁栄の機会を奪うことになる。つまり、楽して生活力はなくなるは、近親交配で弱くなるは、で、子孫は残らなくなるんだよ、というわけだ。
と言うわけで、姉弟の間の子であるフジは・・・健康優良どころか不死身なのだが、ともあれ血縁の遠い相手の方が無難だ。で、ジャンボキンカに魅力を感じて連れて来たのだが、あのチビ、二回りも大きな嫁候補をイジメている。
オトメちゃんにはキレずにやんわりかわして手なずけてもらいたい。
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