馬蹄斑より口パッカ~ン

孵化16日目のヒナ(ニチィ)
就寝前にうろつきまわる孵化16日目のニチィ

 予定通り午前中に引き継ぐ。
 そのうは空っぽで体重18g。両親は、給餌の面で不熱心だったようだ。巣を汚しエサをせがむ謎の生物がいなくなり、ノコリとトミはホッとしているようだった。
 空腹のため、初回から差し餌をよく食べ、食後は一気に20gになった。最終の差し餌を終えた段階でも、ギリギリ20gであった。
 8代目以降の記録では、最軽量がキューの19g。続いてハル・デコ・ノコリの21gとなっている。つまり、14代目ニチィは2番目に軽い。しかし、父のノコリや祖父のハルも軽かったので、小さく生まれて大きく育つ系統と見なせ、心配は無用だろう。

 さて、クチバシの両端にある白いものについてだ。ちょうど、ネット飼育本でなんと表現すべきか考え込んでいたのだ。
 ひと昔前だろうか、ネット上で馬蹄斑(ばていはん)と呼ぶ人がいるのを見かけ、何となくそれが正式名称なのかと思った。しかし、最近は使わないようにしている。もしかしたら、大昔からそのように表現する人が、一部にいたのかもしれないが、おそらく学術的なものではないと気づいたのだ。そもそも、鳥の種類によっては、馬蹄、U字やΩ(オメガ)を横にしたのとは違う形なので、ヒナの口角を馬蹄斑と呼称することはできず、口角の突縁部とか突起物とかそういった感じに表現する以外にないのである。
 別段、学術的にも用いられるような正式名称である必要はないが、現代の文鳥愛好者が、「バテイ」と聞いて、馬蹄、と分かるだろうか?個人的には、なるほど馬の蹄鉄の形だとピンとくるが(アメフトのコルツというチームのロゴが印象的)、より自然発生的な表現として目にする、「ヒナのゴムパッキン!」の方がわかりやすいと思える。そこで、やはり「口角パッキン」と呼ぶことにした(ゴムではないので、存在する場所を冠する)。
 もちろん、パッキンは密閉のための詰め物のことなので、意味合いとしてはおかしくなる。細長いゴムパッキンの質感を類推させるにしても、パッキンの形状や材質は、本来さまざまなのだ。それでも、口角パッキンとして良いのか?なぜだ、なぜなんだ!と、問い詰められたらどうしようかと、適当な理屈を考えて煩悶し、そして、得た結論は以下である。
 ヒナの口角のそれは、口を大きく開くためのもので、詰め物ではない・・・が、口がパッカ~ンと開くためのものなので、パッキ~ンでも良い。
 語感勝負の力業である。文句あるまい。

文鳥の「口角パッキン」

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