「多頭飼育崩壊現場」ってドコ？

崩壊現場、ウチじゃないよ！

 

 　「早く結婚したほうがいいんじゃないか？」は、大きなお世話な軽口だが、「産めないのか？」となったら、はっきりとした誹謗中傷で、冗談では済まない。しかし、その際の動画を見ると、壇上の塩村都議の態度にも問題があったと思える。
　「早く結婚したほうがいいんじゃないか？」との悪質なヤジに対し、苦笑してしまっているのだ。これは、お愛想笑いなのだろうが、低脳なオヤジを（若い子に）『ウケタ』と勘違いさせ、調子に乗らせてしまう態度である。結果、「産めないのか？」と言う、普通の人なら、血の気が引くような発言の問題性にすら気づかず、その場のオヤジども（都議なんですけどね！）で盛り上がってしまい、笑い声が起きているように見受けられた。やはり、あの瞬間は、壇上からオヤジどもを睨みつけ、出来れば一喝して頂きたかった。

　それはさておき、私が塩村氏の質問内容で興味を持ったのは、別の箇所、ペットショップに関する部分であった（ユーチューブの動画をチェックしました）【付記】都議会に「平成26年第2回定例会 録画映像」が掲載されているので、ご興味があればご参照ください。塩村氏の動物愛護関連の質問は6時間30分あたりからになります。塩村氏は、都内某ペットショップが「とてもヒドイ」との情報を得て、現場を視察されたそうで、そこはペットショップと言うより「多頭飼育崩壊現場」だったとされている。

　その視察先についてのご説明は、とても具体的で、その店内は、悪臭の中に不衛生な状態の犬や猫がいて、「汚い鳥カゴが何段にも積まれ」「鳥カゴの中に成長したネコがい」たそうだ。さらに、「外の山積みされた百以上はあるだろうと思われる鳥カゴには、さまざまな鳥がひしめき合って」いたとも、ご説明になっている。

　この箇所を聞いて、「どこだ！どこなんだ！！」、と私は大いに興味をそそられた。なぜなら、そのような店は奇跡的な存在であり、もちろんペットショップめぐり歴四半世紀を超える者にも、実在がほとんど信じがたいからである。

　そもそも、なぜ、成猫を売っているのか？塩村氏も生後40日未満の子犬販売の問題性を指摘されているが、ペットショップでは見た目が可愛らしい幼い子犬や子猫を取り扱いたがるものだ。ところが、なぜそのペットショップに限って、成猫を並べて売っているのだろうか？「売れ残りを裏で殺処分しているようなケースが問題になっているのでは？また、外にまで漂う悪臭と説明した上で、続いて外に鳥カゴ百個とされており、「それは外の鳥カゴの臭いでは・・・」と私なら野次りたくなる。

　そもそも、鳥カゴ百個を屋外に並べるペットショップなど、未知である。知る限りでは、せいぜい二十個くらいが限度である。それは、夜に店内へ移さねばならないと言う、ごく当たり前の物理的な制約があるために、そうなっており、無限大に増やせるものではない。
　従って、私の常識から考えれば、塩村氏は、いくつかの問題のあるペットショップを１つにまとめ、さらにかなり誇張されたのか、それとも、そもそもその現場は、ペットショップではなく、何でもかんでも飼って無責任に増やしてしまう愚かな素人ブリーダーの敷地内だったのではないかと、疑惑を持たざるを得ない。
　実在するなら、屋外百個の鳥カゴ道端に並べてるのだろうか？道路の違法専有で警察を呼んだほうが良いのでは・・・、さぞ壮観のはず。なぜかそれをネットで告発する人がいないようなので、不肖私めが荒川を越え写真を撮りにうかがいたいものである。
　テレビのトーク番組で『ウケ』を狙って大げさな物言いをしても、愛想笑いで済ませるはずだが、いかに低レベルなオヤジの集う地方議会でも、誇張が過ぎれば信用を失うことにもなりかねない。せっかく、動物愛護のための問題提起をしていただいているのだから、『ウケ』狙いで『ツッコミ』を入れられないように、堅実な内容を心がけていただければ有難い。